ようやく秋らしい気候となってきましたね。
クリニックではまだRSウィルス感染症が流行っています。また細菌性胃腸炎の患者さんも多くなっています。
さて、今回はアトピー性皮膚炎の治療についての話です。
現在、アトピー性皮膚炎の主な薬物療法としては、皮膚の炎症に対するステロイド剤やタクロリムスなどの塗り薬を、またかゆみに対して抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー剤などの内服薬を用いる事が主となっています。これらの薬剤で皮膚の炎症やかゆみが取れない場合は、内服のステロイド剤を用いたり、漢方薬を服用したりします。
ただ、これらの治療でもよくならない、症状のコントロールができない患者さんもいらっしゃいます。
そのような方に対して、今年の4月から新しくデュピクセントという注射薬を用いた注射療法が始まりました。
これは2週間に1度の間隔で通院をしていただき、注射をしていく治療となります。
その効果は素晴らしく(臨床治験の結果ですが)、16週の使用で元の症状が50%消失した人の割合が約8割、75%消失した人の割合が約7割、90%消失(ほとんど消えた状態)した人の割合が約4割、だそうです。
しかしその効果の反面なかなか高価な薬剤です。注射1本の費用は、3割負担の方で「24,492円」、1割負担の方で「8,164円」です。
幸いにも日本では治療にかかったお金はあとで医療費控除が受けられますし、1ヶ月の医療費が高額になってしまう場合には高額医療費制度が利用できます。またお勤めの会社の健康保険組合によっては月々の医療費の支払い額の上限が決められているところがあります。これらの制度について説明された冊子も作成されていますので、ご希望の方はお申し出ください。
またアトピー性皮膚炎でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。