新緑の美しい季節となりました。
クリニックの患者さんでは先週までは胃腸炎が多かったですが、やや落ち着いてきた感じがしますね。
でもインフルエンザと溶連菌の患者さんはまだちらほらいらっしゃいます。
今年のインフルエンザは長いですね。
さて、
4月から当クリニックでは2つの機器を新たに導入しました。
まず1つめですが、NObreathという機械です。これは呼気中の一酸化窒素の濃度を測定するもので、呼気NO検査と呼ばれる検査で用いられます。
気管支の表面に好酸球性の炎症があるときに呼気中のNO(一酸化窒素)濃度が高くなります。気管支喘息の患者さんの気管支は好酸球による炎症が起きているため、このNO濃度が高くなります。また吸入ステロイド剤を使うことにより炎症は抑えられるため、NO濃度は低くなります。このように呼気NO濃度は気道の炎症の評価にも使われています。
一般的に成人で50ppb 以上、12 歳未満の小児で35ppb 以上であれば明らかな気道の好酸球性炎症があると考えられ、逆に成人で25ppb 未満、小児で 20ppb 未満であれば炎症の可能性は低いと考えられています。
最近多い、咳喘息の方は 20~50ppb の方が多いようです。
ただし、この呼気NO検査も万能ではなく、NO濃度が高くならない喘息や咳喘息患者さんもいます。また喫煙者は数値が低く出る場合があり、逆にアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎など、アレルギー症状がある場合は、高くなります。
そのため呼気NO検査は、まだ完成した検査ではなく、今後さらに改良が必要とも言われていますが、咳で悩まれている患者さんの一つの治療の選択肢を選ぶための強力なヒントになりそうです。
なかなかコントロールのできない咳でお悩みの患者さんは、ぜひ一度ご相談ください。
2つめの機械については、また次回報告いたします。